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育児と食べ物の話ばかり。

ねないこはわたし

1969年に刊行されてから、いまだにあらゆる幼児に読み聞かせられる永遠の名作絵本『ねないこだれだ』。誰もが見覚えのある独特の貼り絵、そして夜更かししていた子どもが「おばけ」になって連れていかれてしまうという衝撃的なラストで、発行部数は200万部以上です。
実はこの絵本はせなけいこさんのデビューシリーズ4冊のうちの1冊でした。当時37歳、2児の母だった遅咲きのデビュー作が、決定的な代表作となり、せなさんはその後も「おばけ」の絵本を描き続けることになります。

その『ねないこだれだ』は、子どもを寝かしつけるしつけの本ではなかった、という驚きの告白からはじまる本書は、せなさんが初めて「自分のことを書いた絵本」。
各章では、デビュー4冊の『にんじん』『いやだいやだ』『もじゃもじゃ』『ねないこだれだ』などを入り口に、その独特すぎる世界、画風、文体やアイデアの源泉、そして本と絵への愛情をつづっていきます。

本書にはまた、貴重な貼り絵の原画の写真が満載。絵本作品ともひとあじ違う見え方で、さまざまな原画を楽しめます。誰もが知る名作はもちろん、絵本デビュー前の雑誌のカットまで、せなワールドをたっぷり楽しめます。

子育てをした人、子育てをする人、絵本が好きなこども、すべての人へ贈る、自伝的絵本。

 2019年の年末に、大阪で「せなけいこ展」を見たのです。

ryan2.hatenablog.jp

この本にはその時に触れた製作に使用した紙や、せなさんの心。このエッセイにふんだんに入ってました。おばけになって飛んでいく女の子のパジャマは、役所から来た封筒(透かし見防止の変な模様)なんですって。

エッセイだけでなく、絵本の絵もたっぷり入っているので、ぱらぱらと眺めているだけも楽しい本。

そう、せなさんはしつけのために『ねないこだれだ』を描いたわけじゃないんですよね。おばけが好きで、おばけと一緒に飛んでいきたいなあと思っただけ。せなさん大好き。

ねないこはわたし

ねないこはわたし