再開した図書館で、あれもこれもと欲張って借りたうちの1冊。
千早茜さんは片っ端から今読んでいる最中。
第20回島清恋愛文学賞受賞。
ほむら
てがた
ゆびわ
やけど
うろこ
ねいろ
『さんかく』はダントツに好きだけど、千早さんならこれと『西洋菓子店プティ・フール』が好き。そして千影さんが料理好きなで、作る料理が美味しそうなのはさすが。最初はよくあるような不倫小説なのかなあと思ったけど。最後「ねいろ」の水草くんが好き。
きれいに洗っても、忘れようとしても、まだ残っているもの。それで、人生は満ちている――。結婚直前の不実も、不倫も、自分の体を傷つけてしまうのも、ここにずっといて欲しいとうまく言えないのも、ぜんぶ同じ。怖いから。抗いたいから。体と心が触れあった痕跡を遺すことだけが、私たちの唯一の寄る辺なのです――言葉にしたら消えてしまうかもしれない感情の奥底まで踏み込んで描ききった、痛くて優しい連作小説。