so what?@ hatena blog

育児と食べ物の話ばかり。

まだ温かい鍋を抱いておやすみ

今がどれだけキツくても――
“おいしい"が、きっとあなたの力になる。
ほろ苦く、心に染み入る極上の食べものがたり
「遠くへ行きませんか」
「行くー! 行きましょうぞ! 」
スポーツ用品販売会社に勤める素子は、同じく保育
園に通う子供を持つ珠理を誘って、日帰り温泉旅行
に出かけることに。ずらりと食卓に並ぶのは、薬味
をたっぷり添えた鰹のたたき、きのこと鮭の茶碗蒸
し、栗のポタージュスープ。季節の味を堪能するう
ち、素子は家族を優先して「自分が食べたいもの」
を忘れていたこと、母親の好物を知らないまま亡く
してしまったことに思いを巡らせ……
(「ポタージュスープの海を越えて」)

彼女が大好きな枝豆パンは、“初恋の彼"との思い
出の品。病に倒れた父の友人が、かつて作ってくれ
た鶏とカブのシチュー。
――“あのひと口"の記憶が紡ぐ6つの物語。

 これは彩瀬まるさんの最高傑作だね。彩瀬まるさん全部読んでるわけじゃないけど。食べ物が出てくる小説は間違いない。

ミックスミックスピザも好きだけど、一番はポタージュスープの海を越えてかな。自分が保育園児の母親なら泣いちゃう。

家族の好みとか、栄養とか、生野菜を食べる練習をさせなきゃとか、そういうことばかりジグソーパズルみたいに考えてたら、自分がなにを食べたいかぜんぜん分からなくなってた。(P.133)

まだ温かい鍋を抱いておやすみ

まだ温かい鍋を抱いておやすみ

  • 作者:彩瀬まる
  • 発売日: 2020/05/13
  • メディア: 単行本
 

 

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